Created on October 16, 2023 by vansw

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655


海に降りしきる雨の光景も含まれていた。 でも私はもう迷わなかった。 迷いはない。おそらく。 私は目を閉じて体中の力をひとつに集め、 一息でロウソクの炎を吹き消した。


暗闇が降りた。それはなにより深く、 どこまでも柔らかな暗闇だった。


655 第三部