Created on October 16, 2023 by vansw

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を知らぬ生命力は休息をまったく必要としないようだった。 ときとしてそれは私の読書への集中 を乱暴に妨げ、私の神経を力強い後ろ脚で激しくかき乱した。 そして夜ごとの私の眠りを落ち着 かないものにした。


私の内側で何か普通ではないことが持ち上がっているらしかった。 しかしその 「普通ではない 「こと」がいったい何を意味するのかはわからなかった。私はただ途方に暮れるしかなかった。


私とイエロー・サブマリンの少年は、折に触れて私の意識の底にある真四角な小部屋で顔を合 わせ、小さなロウソクの炎を間にはさんで、様々な事柄についてひっそりと語り合った。どこま でも暗く深い夜の時刻に。 しかしそのような出会いの回数は次第に少なくなっていった。私たち の結合は時間の経過とともにごく当たり前の自然なものになり、あえて何かを言葉で語り合うよ う必要もなくなっていったからだろう。おそらく。


しかしその日、イエロー・サブマリンの少年はいつになく真剣な目で、まっすぐ私を見つめて


いちもんじ


いた。彼の薄い唇は一文字に閉じられ、金属縁の丸い眼鏡がロウソクの炎を反映してきらりと光 った。


私は少年に自分がここのところ抱いている違和感について相談していた。いったい私の身に何 が持ち上がっているのだろう?


「どうやら、そのときが近づいてきたようですね」と少年はしばらく続いた深い沈黙を破って私 に言った。


彼が何を言っているのか私には理解できなかった。


643 第三部