Created on October 11, 2023 by vansw

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よ彼はその街に強い興味を持ったようでした」


それがそこで私にかろうじて語ることのできた「真実」だった。少なくとも嘘ではない。


父親はそれについてじっくり深く考え込んでいた。呑み込みにくい形のものを、なんとか喉の 奥に呑み込もうとしている人のように。そして言った。


「母親の話によれば、あの子は何日もかけて机に向かい、 とても熱心に何かの絵を、それとも地 図のようなものを紙に描いていたということです。食事をとるのも、眠るのも忘れるほど夢中に なって。それはその街に関係したことなのでしょうか?」


私は曖昧に背いた。 「ええ、そうですね。 たぶん彼はその街の地図を描いていたのだと思いま す。私の語った話から、その街の地図を描き起こしていたのだと」


「それで、 あなたはその地図をごらんになったのでしょうか?」


私はいくらか迷ったが、背いた。 嘘をつくわけにはいかない。 「ええ、その地図を見せてもら いました」


「それは正確な地図でしたか?」


「ええ、驚くほど正確に描かれた地図でした。私はただその架空の街の様子のあらましを話した だけだったのですが」


父親は言った。 「M* * にはそういう才能も具わっていました。 ばらばらになった細かい断片 をほとんど一瞬のうちに組み合わせ、 正確な全体像を起ち上げていく能力です。たとえば、複雑 きわまりない千ピースのジグソーパズルを組み立てるのだって、あっという間に難なくやっての けます。 まだあの子が小さな頃、そういう能力がすらすらと発揮されるところを私は何度となく


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