Created on September 25, 2023 by vansw

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とほとんど同じ成り立ちの生活なのだから。 そしてそこには、その図書館の奥には、彼が読むべ き〈古い夢〉が埃をかぶってうずたかく積み上げられている。 数え切れないほど、おそらくは無 限に。 そしてどの夢もそれぞれ、世界にただひとつしか存在しない夢なのだ。


「その街に行かなくてはならない」と少年は前よりもっと明瞭な声で繰り返した。


453 第二部