Created on September 15, 2023 by vansw
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果てしたい外
たとえ料理の途中で塩を切らさなかったとしても、その事故は防ぎようがなかっただろうし、 ガスの火は間違いなく消されていた、と子易さんがいくら説得しても彼女は納得しなかった。 子 易さんが何を言おうと、彼女は犬と自転車のことを、そして食塩とガスの火のことを際限なく話 し続けた。誰かに向けて語っているのではない。自分自身に向かって話しかけているのだ。それ は彼女の中に生じた暗い空洞に響く、一連のうつろなこだまなのだ。そこには子易さんが介入で きる余地はまったく見当たらなかった。
すべてのものごとが悪い方向に流されつつあると子易さんは感じた。 何をしてもうまくいかな い。どうすればいいのか、どこから手をつければいいのか見当もつかない。途方に暮れるばかり だった。妻は同じことをいつまでも果てしなくしゃべり続け、慰めや励ましの言葉は頭から無視 され、 はねつけられた。 そしてその身体には指一本触れさせてくれなかった。 彼女の眠りは浅く、 覚醒はおぼろげで不確かだった。
時間をかけるしかあるまい、と子易さんは覚悟した。 これはおそらく時間にしか解決できない 問題なのだ。人の手ではどうすることもできない。しかし残念ながら、時間は子易さんの味方で はなかった。
六月の終わり頃これまで例がないほど激しい雨が何日も続けて降った。川が急速に水かさを増 し、氾濫が心配されるほどだった。町の外側を流れるいつもは穏やかで清らかな川が茶色の濁流 と化し、荒々しい音を立てながら、大小の流木を次々に下流へと運んでいった。
Mo
そんなある朝 (それは日曜日だった)、子易さんが六時過ぎに目を覚ますと、隣のベッドに妻
몽롱보단모양, 보론이 아닌 모양. hcter 감성
おぼろげ
しょくえん
こだま
とほうにくれる
26-10-24
途方に暮れる
Etxa