Created on September 10, 2023 by vansw
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瓦erer(カ) かわら
thlh
煉瓦 れんが
가단
2
図書館は木造の二階建ての建物だった。 どうやら古い大きな建物を最近になって新しく改築し たもののようだ。瓦がいかにも真新しく光っていることでそれがわかった。 小高くなった丘の上 に建ち、手入れされた庭がついており、 何本かの大きな松の木が得意げに地面に色濃い影を落と していた。それは公共施設というよりは、どこかの資産家の古い別荘のように見えた。
思っていたより悪くないと私は思った。感心した、と言った方がいいかもしれない。 二つ並ん だ古い石の門柱の一つには、 「Z**町図書館」と彫られた大きな木製の古びた看板が掛けられ ていたが、もしそれがなかったら、そこが図書館だとはおそらく気がつかずに通り過ぎていただ ろう。財政の豊かではない小さな町の図書館ということで、もっとありきたりの、貧相で味気な い建築物を予想していたのだ。
あたりに人影はなかった。 私は大きく開かれた鉄扉を抜けて、 革靴の底で砂利を踏みしめなが ら、カーブした緩やかな坂道を玄関まで歩いた。大きな松の枝のひとつには、やはり真っ黒なカ ラスが一羽とまっていたが(そしてやはり鋭い目で私の姿をじっと見守っているように思えた が)、それが先ほど公園にいたのと同じカラスなのかどうか、そこまではもちろん判別できなか った。
玄関の引き戸を開け、民家風の古風な敷居を越えて中に入ると、屋内は大きく開けた空間にな っていた。 吹き抜けになっており、天井もかなり高い。 太い四角い柱と、何本かのきれいにカー ブした太い梁がかみ合わされ、大柄な家屋を頑丈に支えていた。おそらくは百年以上前から、 そ の与えられた役目を黙々と、不足なく引き受けてきたのだろう。梁の上高くにある横長の窓から、
bc.
싱겁다.
あじきない
あじけない
ありきたり
見える.
213 第二部
かわぐつ
4.